たまには読書でも

いろいろ綴ります

東北には伊達政宗以外にも強い武将はいたのだ

あまり知られていない東北地方の歴史。

そんな中、私が興味を持ったのが九戸政実の乱を題材にした高橋克彦の小説『天を衝く』である。

なぜ興味を持ったかというと、隆 慶一郎の『一夢庵風流記』の中にほんのちょっと九戸政実の乱のことが出てきただけなのだが、それがどうにも気になったからだ。

九戸政実という名前は知ってしたが、どういう人なのかは全く知らなかったのでネットで調べてみた。

簡単いえば秀吉の政治に異を唱えて最後まで戦い抜いた武将である。

最後は投降して斬首になってしまうが、最後まで武人であった人。

 

南部最強で九戸党棟梁の九戸政実の戦の爽快さ、読んでいてワクワクしてくる。

戦の先の先を読んで敵の裏の裏を掻く戦略、三国志なら諸葛亮の頭脳に関羽の強さを兼ね備えている。

次が気になって途中で止めるのが難しいくらいに面白い。

中盤くらいから読み終わるのがもったいないし、結末を知っているから読んでいくのが辛くなってくる。多分もう完全に九戸政実に惚れてしまっているのだろう。

全3巻あるが全然長く感じなかった。

作者の高橋克彦も最後をあまり悲惨にはしなかったのが幾分救われた。

高橋克彦の東北三部作、順番的には最後の作品になるのだが、もしかしてこれが一番おもしろいのではって思えるほどだった。

この後東北三部作全部を読んでみようと思っている。

東北の歴史を知らなければ征夷大将軍の意味を知ることはないだろう。