海外ファンタジーを超える『精霊の守り人 』
上橋 菜穂子(うえはし なほこ、1962年7月15日 - )は、東京都生まれの児童文学作家、ファンタジー作家、SF作家、文化人類学者。
2014年に国際アンデルセン賞を受賞。
日本児童文学者協会会員。父は洋画家の上橋薫[1]。
このシリーズには二人の主人公が存在する。一人は、幼い頃に実父を殺され、父の友人ジグロに育てられた娘バルサ。
身を守るためと父の敵討ちを誓い短槍の使い手に、用心棒の『短槍使いのバルサ』として生きてきた。
そしてヨゴ皇国王二の妃の子で精霊の卵を体内に宿したことで、王である父と確執がうまれ命さえ狙われてしまったチャグム皇子。
この二人が出会う場面から物語は始まる。
ヨゴ皇国を訪れたバルサが川に流される皇子チャグムを助ける。
お礼にとチャグムの母第二の王妃に招かれたバルサが、王妃に皇子を連れ出し守ってくれるように頼まれる。
幼いチャグムを王の追っ手から守りつつ、卵を狙う怪物からも体内に宿した精霊の卵をも守らなければならない。
ナグユと呼ばれるもう一つの世界とこの世との繋がり、バルサの活躍、チャグムの運命は・・・。
『・・・守り人』はバルサのストーリー、『・・・旅人』はチャグムのストーリーになっている。
トロガイやタンダなどバルサを助ける周りの人達の関わりも重要な存在になっている。
もともとは児童文学の形をとって発売されたみたいですが、上橋菜穂子さんも特に児童文学のつもりで書いてはいないようです。
このストーリーと世界観の完成度はじゅうぶん大人向けの物語でもある。
単なるファンタジーではなく、どこかの国の歴史小説と感じてしまうぐらいの完璧なまでのストーリーには脱帽ものです。
私は『精霊の守り人』を読み終えてすぐ『闇の守り人』を読み始めました。
私はやっぱり強いものに憧れます。
娯楽としておおいに楽しめるストーリーです。
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