君たちはどう生きるかをどう読むか
こんにちは
日に日に寒さが増してますね。
暑いのも嫌ですが、寒いのも嫌ですね。
寒いと家引きこもりがちになりますよね。そこでそんな時こそ名著を読んでみるのがおすすめです。
『君たちはどう生きるか』 吉野源三郎著
この本は1937年に発表された本です。
かなり古い本ですが、時代背景以外は十分今でも通づる内容のものです。
いじめ、仲間、苦悩、友情。
人生で経験するだろうことが詰まった内容です。
主役は中学二年生の本田潤一、あだ名がコペル君。コペルニクスのコペル君です。
コペル君のおじさん(コペル君の母の弟)がコペル君の考えたことがまるでコペルニクスのようだ、ということでコペルニクス君、呼びやすいように短くしてコペル君と呼ぶようになった。
コペル君もこのあだ名を気に入っているようです。
コペル君の父親は亡くなっていて母親と二人暮らしです。
そんなコペル君の物語におじさんが書いた”おじさんノート”を挟み込んだ構成になってます。この”おじさんノート”が重要な役割になってる本だと思います。
この本は岩波文庫で青帯になってます。岩波文庫の青帯の本は「思想、哲学」に分類されてます。
例えば、デカルトの『方法序説』やプラトンの『ソクラテスの弁明』などが青帯になってます。
それを考えるとこの『君たちはどう生きるか』は哲学書になるのでしょう。
コペル君のおじさんのノートも親友のお姉さんのナポレオンの話しも哲学的なんですが決して難しくない言い回しでわかりやすく書かれてます。
哲学の入門書とも言えるかも知れません。
哲学の入門書といえば『ソフィーの世界』を私は思い浮かべます。こちらはファンタジックな感じがして、これはこれで面白いと思います。
でも、『君たちはどう生きるか』の方が作者が日本人だからでしょうか、理解しやすいし私にはスーッと入れたように感じました。
終盤、コペル君は友人たちとの堅い約束を破った、裏切ったと思い悩みます。
自分が悪いことも謝らなければならないのもわかっているのにそれができない。何故か?友人たちが許してくれないかもしれないそう考えると行動できずに苦悩し続けます。
そして、どうしたらいいかおじさんに相談しました。
「…いま君がしなければならいないことは、なによりも先に、 まず北見君たちに男らしくあやまることだ。済まないと思っている君の気持ちを、そのまま正直に北見君たちに伝えることだ。その結果がどうなるか、それは、いまは考えちゃいけない…」
(しなければいけないことはわかっているのに先の事ばかり考えて行動できないことって、私はよくあります。
行動しなければ何もかわらないんです。行動することで何かが動き出す。
いい方にか悪い方にかはわからないけど先へ進むんです。
もし悪い方に行ったらそこで考えてまた行動すればまた先に進むんです。
行動に移さなければいつまでも先に進めないそう思いました。)
そして、謝罪の手紙を書いてコペル君も行動しました。結果は…。
私は岩波文庫でしか読んでませんが、漫画本にもなってるみたいだし私が読んだ岩波文庫の本も難しくない内容だし難しくない文章なので大人の方はもちろん中高生にも是非読んで欲しいです。